1.障害基礎年金

障害基礎年金は、自営業者や専業主婦、学生などが加入する国民年金の期間中、病気やケガによって障害の状態になった場合(初診日があることが条件)に受給できる年金です。
1級、2級の障害等級に該当した場合にもらえます。
また、制度上国民年金に加入できない20歳前に初診日があった場合でも、一定の条件のもとでもらえます。

2.障害厚生年金

障害厚生年金は、一般の会社員や公務員などが加入する厚生年金の期間中に病気やケガによって障害の状態になった場合に(厚生年金の被保険者期間中に初診日がある)に受給できる年金です。
障害基礎年金の金額に上乗せして、報酬比例部分が加算されます。また、3級の障害でももらえます。
平成27年10月より、共済年金は厚生年金に一元化されました。
ただし、旧共済年金期間に初診日がある場合は、その時に加入していた共済組合に請求することになります。

障害年金の受給額

令和7年度

(1)障害基礎年金

障害等級 年金額(令和6年度)
障害基礎年金1級 1,039,625円
障害基礎年金2級 831,700円

子供がいる場合は以下の金額が加算されます
子供の条件・・・18歳になった年の年度末(3月31日)までの子供、または、1級または2級の障害を持つ20歳未満の子供

対象者 加算額(令和6年度)
2人目までの子 1人につき239,300円
3人目以降の子 1人につき79,800円

※自治体から児童扶養手当を支給されている世帯では、この加算を優先的に受取り、児童扶養手当は差額のみ受け取ることになります

(2)障害厚生年金

障害厚生年金は、障害基礎年金に上乗せして支給されます

障害等級 年金額(令和6年度)
障害厚生年金1級 1,039,625円+報酬比例部分の年金額の1.25倍
障害厚生年金2級 831,700円+報酬比例部分の年金額
障害厚生年金3級 報酬比例部分の年金額
(最低保障623,800円)
障害手当金 報酬比例部分の年金額の2倍(一時金)

障害年金受給の要件

障害年金を受給するためには、以下の3つの要件に当てはまる必要があります。

①初診日要件
②保険料納付要件
③障害認定日要件

以下、それぞれの要件について説明します。

①初診日要件

初診日とは「初めて医師または、歯科医師に診察を受けた日」とされています。
この初診日に国民年金、厚生年金、共済年金の被保険者であることが必要となっています。
ただし、国民年金への加入義務のない20歳前に初診日がある場合や、国民年金の被保険者だった者が60歳から65歳前の間に初診日がある場合は、障害基礎年金の給付対象となります。
※ただし、20歳前に初診日がある場合は、一定の収入以上になると支給停止になります

初診日については、相当因果関係がある病気の初診日が該当したりと、いろいろな規定がございます。
詳しくはご相談ください。

初診日証明に必要な書類

②保険料納付要件

初診日の前日の時点で前々月までに、直近1年間に保険料の未納がないこと、または、前々月までの被保険者期間のうち、3分の1以上の未納期間がないことが要件になります。
ただし、厚生年金や共済年金に入っていない20歳前に初診日がある場合は、保険料納付要件は問われません。

③障害認定日要件

障害認定日において、一定の障害にあることが要件になります。
障害認定日とは、初診日から1年6か月を経過した日、または、その期間内で傷病が治癒・症状が固定した場合はその日になります。
ただし、以下の場合、特例として1年6か月待つことなく請求手続きができます。

 

上記の他にも特例がございます。 詳しくはお問い合わせください。

 

障害認定基準

各傷病とも 大雑把な考えとして
ベッドに寝たきりの状態・・・・1級
生活範囲が、ほぼ自宅や病棟内、施設内の場合・・・2級
軽労働はできるが、一般的な労働はできない・・・・3級
以上の点を考慮いただいたうえで、認定基準を読むとわかりやすいです。

ただし、働いたからといって、ただちに受給している年金が停止になったり、受給権がなくなったりすることはありません。障害年金の等級は、障害の程度で決定されます

精神障害以外の障害の基準は、働いているからといって受給できないと言うことはありません。
例えば、眼の障害で2級受給している人がフルタイムで働いている例はありますし、人工透析をしていて2級の障害年金受給している人でも、夜に病院で透析を行い、昼間働いている人もいます。車椅子の状態でもフルタイムで働いている人はいます。

上記の考え方は、あくまで認定基準読む上での大雑把な考え方です。